メッセージ
室内を通り抜ける風を見送るひととき。
木の家で感じる、心地よいやすらぎは、
実際に住んだ人々が、口を揃えて語ることの一つです。
自然とともに、穏やかな日々を重ねて、
1日1日が、
平穏無事でやすらかな日でありますように。
そんな「寧日」を願い、
住む人とともに丁寧に作り上げていきます。
私たちが得意とするのは、木を木で組むこと。
強くて丈夫な柱と、一般的な在来工法の
倍ほどの本数の木材を使い
高い精度で木を組み上げていく光景は、
感動的な迫力があります。
ただ古くなるのではなく、
時を経た美しさと豊かな表情を持つ家。
命を預かるにふさわしい、粘り強さのある家。
作っては壊していく短いサイクルに別れを告げ、
何十年も先、世代を超えて心豊かに住み継いでいく家。
私たち家守は、そんな家を作りたいと考えています。
かつて、戦前の日本でみられた「木組みの家」は、
現代の家づくりからはほとんど忘れ去られてしまった、
強さと美しさを持つ伝統構法です。
一口に「木の家」といっても実に様々であり、
み手には違いがわかりにくいかもしれません。
現在主流とされている家づくりは、
戦後の高度経済成長から発展してきた在来工法の木造住宅や、
輸入住宅などで見られる金物を用いた2×4工法。
これらの家と、私たちが得意とする「木組みの家」は、
同じ「木の家」でも全く異なるものです。
日本の気候風土に合わわせて、
長い年月をかけて培われてきたにもかかわらず、
技術と手間がかかることで急速に失われてきた、
かつての家づくりですが、
近年、地震への強さや環境負荷の面から再評価されつつあります。
私たちはこの伝統技術を礎に、
世代を超えて住み継いでいく木の家づくりを行っています。
素材の適材適所を知っているからこそ、
限られた条件でもきちんとした家を作ることが出来るのです。
家とは、人が暮らすための場所。
心地よくて、暮らしやすく、
安心出来る家でなくてはなりません。
ヒノキの大黒柱を始めとする、安心感のある太い柱。
障子や珪藻土などの、昔から使われてきた素材。
どこか懐かしさと安らぎを感じる家こそが、
私たちの目指す家です。
家守では、木組みの家に造詣が深い設計者とともに、
現代のライフスタイルに合った暮らしやすさを持つ家を、
住み手とともに考え、作り上げていきます。
伝統工法だからといって、
古民家のような和の様式にこだわる必要はありません。
あらわしになる木の一部を、和の印象が強くないものにしたり、
屋根には美しくモダンないぶし瓦を使ったりと、
デザインのバランスを取ることで、現代にも合う、
普遍的な美しさを持つ住まいを作ることが出来ます。