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秋は夕暮れ…誰そ彼
ここのところ朝晩はだいぶ涼しくなりました。
やっと、秋、ですね。
季節の変わり目を感じる頃が好きです。
過ぎる季節への名残惜しさと新しい季節を楽しもうという気持ちとそれに備えてちょっと身構える感覚が自分をまた新たな気持ちにしてくれるような気がするのです。
特に秋は個人的に一番好きな季節。
枕草子でも「秋は夕暮れ…」というように秋は夕暮れの時間が印象的ですよね。
夕暮れを「黄昏時」といいますが、またその語源が面白いのです。
語源は「誰そ彼(たれそかれ)」→「たそがれ」→「黄昏時」
日が暮れて薄暗くなり、人の姿は見えても顔の見分けがつきにくい時、「あなたは誰ですか?」と問いかける時間帯ということで「たそがれ時」になったそうです。
そして、それと対のような言葉が明け方を表す「かわたれ時」です。
あまりなじみがない言葉かもしれませんね。
こちらの語源は「彼は誰ぞ(かわたれぞ)」→「かわたれ」→「かわたれ時」
日が昇り始める頃、まだ薄暗く人の顔がわかりにくい時、「あの人は誰だろう」問いかける時間帯をいうのです。
現代は、真夜中でも煌々と電気がついている場所もありますし、こういった古くから日本に伝わる繊細な表現に気づきにくくなっているかもしれませんね…。
日本語は、昔からの暮らしに沿った語源が多く、その言葉の意味を少し深堀してみると、趣のある美しさとその情景に思わず感嘆してしまう言語だと思います。