株式会社 家守

暮らしを訪ねて

豊かな森と小さな木組みの家

「森に住みたかったんです」という奥様。斜面の向こうに小さな森が広がる、周囲より少し小高いこの場所に、K様一家は家を建てることにしました。庭と畑を作り植物を育てながら森の中に小さな家を建て、そこで静かに暮らしたい。そんな理想を持ちながら広い土地を探し続けるもなかなか見つからず、この場所に決めるまで3年かかったそうです。ようやく出会えたこの場所は、野鳥のさえずりが聞こえ、ときにはタヌキや野ウサギも顔を出すのだとか。
「森に似合う、小さな家」を思い描いていたときに、たまたま遊びに行ったお友達のお宅に大きな衝撃を受けたという奥様。その家とは、「木組み」で作られた家でした。土地探しに時間がかかったこともあり、自然素材で家を造る様々な会社を検討してきましたが、「木組みの家」は他の木の家とも全く違う雰囲気。時代や流行に左右されない心地よさも魅力的でした。

外壁はリシン掻き落としといわれる、日本古来の左官伝統工法。防水性・通気性ともに優れ、年数が経つほど落ち着いた色合いになる。
奥様セレクトの個性的な植物たち。

「他では、自然素材と価格との折り合いをつけるためか、『2階の壁をクロス貼りにしましょう』といわれたり、何かと妥協を提案されているように感じました」
という奥様。その度にどこか納得できない思いを感じることもあったそうです。そんなとき、理想にぴったりだったのが、家守の「kinari」でした。技術力はもちろんのこと、見えない箇所に使われるような素材ひとつひとつもきちんと意味があり選ばれた素材を使う、その考えにK様は大きく共感をしてくれました。
住み始めて2年、少しずつ育ててきた庭には、マルバノキやユーカリ、スモークツリーやジューンベリーなど、実の成るものや葉の美しい木々と、ハーブ類や宿根草などの優しい表情の植物が植えられ、丁寧に手を入れている様子が伺えます。お子様達と一緒にお庭の手入れをして過ごしたり、庭の植物たちでリースを作ったり。庭と家とを繋ぐ土間があるおかげで、暮らしがより豊かなものになっているそうです。
この先、庭木が茂る頃にはお子様たちも成長し、暮らしも徐々に変化していくことでしょう。その先も、ずっと先も。変わらずにあるこの家で、豊かな日々が続きます。

窓際に置かれたラジオメーター。
遊びに来た友人に「木の香りがする」と言われるそうです。
玄関と土間は洗い出し仕上げ。

□ 左上 明るさを取るかスペースを取るかでずっと迷っていたという2階のフリースペースは、実は最近付け足したばかり。椅子をおいて大好きな読書のための空間にする予定。 □ 左下 きょうだいとも、自室よりもリビングで過ごすことが多いそう。 □ 右 鏡と扉を兼ねた棚をつけた、造作の洗面スペース。実験用シンクと迷った結果、水はねや使いやすさを考慮したものに。

リビングは障子でモダンな空間に。「夏は、窓を網戸にして雨戸を閉めると、とても雰囲気が良いんです」

宇都宮市 K様邸
  • 木組み(OPTION)
  • 設計/(企画住宅) kinari
  • 延床面積/32.68坪(1階) 19.9坪、(2階) 12.77坪
  • 家族構成/夫婦+子供2人
  • 施工期間/2015年10月〜2016年5月
  • 木材/県産材・国産材
  • 面材/モイス
  • 基礎/ベタ基礎
  • 基礎断熱/スタイロフォーム
  • 屋根/ガルバリウム鋼鈑
  • 外壁仕上/塗り壁(リシン掻き落とし)
  • 壁断熱材/羊毛
  • 床材/杉無垢材
  • 内壁仕上/珪藻土塗り
  • 天井/杉化粧板 (1階)、小屋表し+杉化粧板 (2階)
  • 木部塗装/自然塗料 (プラネットカラー)